2022年9月6日火曜日

【生後859日】高齢出産ママの実態【2歳4ヶ月7日】


私は39歳で妊娠して、40歳で出産した。


この子が成人式の時に私は還暦なのかー…と不安な気持ちが無くもない。


パパなんて私の9歳上だから、もっと不安である。


私達は他の親御さんより早くいなくなってしまうかもしれないけれど、息子には家だけは残してあげられるから、あとは自分で生き抜いてほしい。


私ができるのは、生き抜いていくのに必要な好奇心と行動力を伸ばしてあげることだけ。


できるだけ長く家族で一緒にいたいけど。。。


そんな不安やしんみりせずにはいられない現実がある。


それでも、子育てしながら働けそうな新しい仕事を始めてみて、1年ちょっと経つけどなんとかやっていけそうで、予想に反して体力面での辛さは全く無くて、


「なんだ、いけるじゃん」


そう思っていた。


そう、つい先月までは。


2歳、走り回るお年頃の開幕から数ヶ月にして、突然スピードが増したのである。


『あっという間』という言葉があるが、まさにその通りで、隣に立って私が自転車の鍵をかけるのを見ているなあと思っても、その鍵を抜いた時にはもう走り出しており、


「こうちゃん!」


と名前を呼び終わるタイミングではもう路地を抜けて角を曲がっている。


こんなの絶対ダメなので、こっちも全てを放り出してダッシュで追いかける訳であるが、、、


ギリギリしんどい。


私が42歳にして20代ママにも負けないダッシュが出来るのは、産後から細々と続けているスクワットのおかげだと思っている。


日々の自転車こぎでも足は鍛えられている。


私の生活に自転車が登場したのは、1年少し前である。


最初は自転車に乗るたびに筋肉痛になるのは勿論、場合によると


「ひ、、、膝が痛い、、、」


なんて高齢者顔負けの悲鳴をあげていたものだが、今ではそんなことも無くなった。


高齢出産ママたちよ、ぜひスクワットを。


我が子の安全を守るために、強い脚力を手に入れよう。


それでも全体的な体力は、おそらく若いママには敵わない。


全力ダッシュを日常的に行うようになってから、夜に寝落ちしてしまう日が増えた。


深夜や朝に、パパに起こされる。


ごめんよパパ…


え、じゃあ結局、体力的にきついんじゃん、高齢出産ってあんまり良くないのかな?

と思うあなたにお届けしたい、メリットを最後に書く。


ずばり、年の功で、気が長く持てることである。


他のママたちや保育士さんから

「こうちゃんママは優しい」

みたいに言われがちだが、はっきり言うと、私は優しい性格ではない。


性格はきついし、毒舌でもある。


それでも気は長く持てる。


ここでポイントとなるのは、気が長いのではなく、長く持てるってところだ。


10年前だったら無理だったと思う。


ってことで、良いことも悪いこともあるけど、それが人生だからね、今を楽しもう。


人それぞれでみんな違うんだけど、それでも声を大にして伝えたいことがある。


スクワットは良いぜ。


2022年8月31日水曜日

【生後853日】飴デビューの恐怖【2歳4ヶ月1日】


飴デビューをしたら怖いことになったから聞いてほしい。


今日は私のスマホが調子が悪いため、携帯ショップに行った。


説明やら何やらでカウンターにずっといたら、2歳ですもの、そりゃあ飽きてくる。


走り回られたら話どころではなくなると考えて、今日はバギーに乗せていたんだけど、飽きてくると甘えん坊さんになって、抱っこコールが止まらない。


それで途中から膝に乗せると、すぐにご機嫌になったのだが、そこで発見してしまったのが、カウンターの端にあった飴のかご。


「これはなあに?」


「飴だよ。」


「こうちゃんの?」


「ううん、大人の。」


「しょっかあー」


私がよく「そっかー」と言うようで、こうちゃんも人の話を聞いた後でよく「しょっかあー」と言う。


その場合、ちゃんと理解している確率が高いのだが、今日は好奇心が勝ってしまい、


「あめー。こうちゃんもー」


が頻繁すぎて全然店員さんも話が出来ない。


それで私は


「よし、飴デビューしてみるか」


と1つ口に入れてあげた。


飴の何たるかをまだ知らぬ2歳児は、いきなりガリガリと噛み砕き始めた。


まあ、これなら喉に詰まらせる心配もない。


しばらくすると2個目を欲しがり、すったもんだの末、与えた。


またしてもガリガリやっている。


念のためスマホのデータをコピーすることになり、また時間があいて飴を欲しがる。


再びのすったもんだの攻防を経て、これで最後ということになり、飴のかごは店員さんが隠してくれて、3つ目のターン。


今度は静かだ。


やっと舐めるという味わい方に気づいたのか…


なんて考えていたら、こうちゃんがそっと私にしがみつく動作をした。


ハッとして顔を見たら、真っ赤。


咄嗟にタッピングした。


2回やったところで向かい側の店員さんが冷静に


「あ、出ましたね」


この店員さん、お子さんが4人いるそうで、さすがの落ち着きっぷりだった。


いつかは初めて飴を口にする。


危険はあるけど、そばについて見ていれば大丈夫。


そう思っていたけれど、怖いのは詰まらせたサインが予想と違ったこと。


ジタバタするとは限らないのね。


硬直する訳でもなかった。


あの、そっとしがみつこうとしたのを見逃してたらと思うと、後から怖くなった。


あの店員さんなら、前から見ていて気づいてくれた可能性もあるけれど。


介護の先輩は、若い頃に別の施設で働いていた時、利用者さんがお煎餅を喉に詰まらせて亡くなるのを遠目にだが見てしまったそうで、


「窒息は怖いよ…顔が土みたいな色になって、本当に一瞬で死ぬ…」


と暗い顔で言っていた。


重味がすごかった。


今日は無事に危険を回避できて良かった。


次回またこうちゃんが飴を口にする時も、ちゃんと見ているようにする。


キャラメルとかも怖いよね。


私自身は幼少期に何度かイカを詰まらせているから、イカも注意だ。


なんか考えてみたら危険はそこらじゅうにある。


週に2回は道路に飛び出して轢かれそうになってるし、今は割と大変な時期なのかもしれない。


2022年5月8日日曜日

【生後738日】何も手伝わせてくれぬ。【2歳0ヶ月8日】


気づけばもう2歳。


あっという間である。


最近のこうちゃんはというと、イヤイヤ期ではないけれど、「ぃやだよぅ」という言葉は覚えた。


「まだ」と「また」も使いこなしている。


絵本を一冊読み終わったら、そそくさと次の一冊を持ってきて


「これー❤またー🎵」


ブロック遊びに夢中な時に「ごはんにしよー🎵」と誘うと


「ぃやだよぅ。まだー、これー!」


とブロックを掲げて見せてくれる。


まあ、最終的にはごはんの魅力には勝てないんですけどね。


ごはんそのものの魅力もそうだし、自分のごはんを台所からテーブルまで自分でそーっと運ぶ行為にも抗えない魅力があるらしく、


「これ運んでくれる?」


と声をかけるとブロックなんざすぐさま放り出して走ってくる。


時期によって違うんだけど、白米から食べたい時とおかずから食べたい時があって、ちょっと進みが悪いから促そうかと思って私がスプーンに手を伸ばすと


「まめー!」


だめらしい。


更にこうちゃんが白米モードなのにおかずを薦めてしまうと


「ぃやだよぅ❤️」


やだとは言っているのだがお顔はにこにこなのが妙である。


やだを使いこなしている自分にご満悦のようだ。


もう自分で食べられるので、基本的に手伝われるのを嫌がる。


お着替えも然りで、手伝おうとする気配を察するやいなや


「ぃやだよぅ!こうちゃんも!」


“も”の使い方はまだいまいちだけれど、意味は解る。


自分でやると言っているのだ。


脱ぐのも着るのも上手になった。


今でもたまにズボンが前後逆になりそうな時があるけれど、自分で


「はんたーい。こっち!」


と修正するので、私は見ているだけ。


これらの成長を見ているのがたまらなく好きだ。


純粋に、すごいなあと思う。


何かができるようになる楽しさを満喫しているのを見るのは楽しい。


そうそう、上手くできない時もある。


ブロックがうまいことはまらないとか、里芋がつるつる滑ってフォークに刺さらないとか。


そんな時はやはり2歳、少しだけ癇癪を起こしそうになる。


でも私が


「できるよー。こうすればいいんじゃない?」


と押さえてやってみせると、真剣にじーっと見て、最後に


「うん」


と力強く言う。


慎重に私の真似をして、自分でできた時には、ものすごい笑顔を見せてくれる。


介護の仕事は自立支援で、ご自分で出来ることはご自分でやってもらって自信を維持してもらう。


私はこれが最初なかなか腹落ちしなくて、つい手伝ってしまっていた。


でも子育てと並行しているうちに、やっと理解できた。


逆も同じで、介護職デビューによって自立支援の概念に出会わなかったら、子どもに対しても全力でお世話してしまっていただろう。


これは基本的に出来るけど今はできない、手伝った方がいい、っていう見極めも、ストレスなく出来るようになった。


物事って上手く出来てるなあ。


子どもがあらゆる隙間にぴったりの物を探してきてはめ込んで喜んでいるのを見てからブロックを買い与え、

子どもが洗濯物を楽しそうに畳んでいるのを見てから折紙を与えるという、

いつも子ども主導の子育てになっている事に、これで大丈夫なのかなって不安を感じることはあるけれど、

のびのび育ってるし、私も成長させてもらってるから、これでいいんだろうな。


2022年2月21日月曜日

【生後663日】バランスを取る休日。【1歳9ヶ月23日】


初めて5日連続で託児に預けたら、やっぱりこうちゃんはお疲れモードになった。


実は今まで、お出かけは4日連続までと決めていて、絶対に家か家の周りでのんびり過ごす日を死守してきたの。


なぜかって、私自身が、連勤は4日までだと思ってるから。


月から金まで5日連続で働く大人も保育園に行くちびっこも学校に行く子どもも、みんなをすごいと思ってる。


私には無理。


義務感が生じちゃうんだよね。


好きでやってる事なはずが、疲れると義務に変わっちゃうの。


ハッピー感が減る。


だがしかし、この度、スケジューリングを間違えてしまったのである。


私の方は、勤務1日→学校1日→勤務3日なんだけど、

ありがたいことに勤務先の託児室が、私が学校に通えるように勤務ではない日なのにこうちゃんを預かってくれる事になっておりまして、こうちゃん的には初めての5日連続登園。


さすがに5日目は、ぽわんとしてごはんもあまり食べず、早々に

「ねんね!」

と半目で言うので、一緒にさっさと寝た。


そして迎えたのが今日。


お風呂はパパをお仕事に送り出した後で、2人でゆっくり入った。


お風呂大好きっ子だから、水遊び感覚。


お風呂シールで遊んだり、お互いを洗いっこしたり。


それからもりもりごはんを食べて、ちょっと遊んだらまた寝た。


疲れてるんだなあ。


世間の月から金まで保育園に行ってる同い年の子達はどんな感じなんだろう。


慣れなのかな。


起きたらもうお昼ごはん。


その後、こうちゃんの髪を切るために美容院に向かった。


この美容院、予約を受け付けていない。


行くと空き状況に応じて予約メモを書いてくれるシステム。


今日は、1時間後の予約メモを貰った。


その1時間は、すぐ近くの公園で遊ぶことにした。


偶然にも、同じ職場の、同じく託児室を利用しているママ職員さんに会った。


こうちゃんはお友達を見つけてとっても嬉しそう。


にこにこ近づいて行って、自分より数ヶ月ちいさい男の子にいいこいいこしてた。


しばらく一緒に遊んで、まだ時間があったので、強風で凍えた体を温めるべくこれまた近くのカフェに入った。


お会計中にこうちゃんが

「うっきゃーい🎵」

と自動ドアから走り出ていったので、私は一万円札をカウンターに放り出してダッシュ。


寿命が縮んだわ!


おちびを抱えてカウンター前までまたダッシュで

「すみません、すみません!」

と戻ると、レジのお兄さんも次に待ってるおばあさんも全然迷惑そうな顔もせずに

「元気だねえ」

「可愛いねえ」

と優しく待っててくれてて救われた。


更には、おばあさんが

「トレイ持っていきましょうか?」


なんという優しさ!


レジのお兄さんも

「いやいや、僕がお持ちしますよ」


でもおばあさんをお待たせしてしまっているので、お兄さんには一刻も早くおばあさんのお買い物をしていただきたくて

「ありがとうございます。でもすぐそこのお席に行くので、大丈夫です」

と辞退させていただいた。


カウンターのすぐ横に、1つだけ孤立したお席があったので、そこに座った。


私はコーヒーを、こうちゃんはバームクーヘンと麦茶を飲んだ。


お店を出る時、こうちゃんはさっきのおばあさんを見つけて嬉しそうに近づいて行って、最近覚えたての

「こんちゎー🎵」

を繰り出した。


おばあさんはたくさんの笑顔と「可愛いわねえ」をくれた。


美容院では、入った瞬間に

「あった!ちゅーきゅーしゃ!」

と上を指差して叫ぶ。


貴重品ロッカーの上に飾ってあるフォルクスワーゲンのトランスポルターの模型だ。


救急車に似ているのはフォルムだけで、色も全然違うんだけど、美容師のお兄さんが

「救急車?これかな?いいよ、これで遊ぶ?」

と下ろしてくれたので、こうちゃんはしっかり受け取って、遊び始めた。


カット中も、他の美容師さんが

「この車でも遊ぶ?」

と追加で2台もビートルを持ってきてくれて、こうちゃん大興奮。


店長さんがフォルクスワーゲンファンなのか。


わんこの写真集も持ってきてくれて、こうちゃんは更にご機嫌に。


カットしてくれているお姉さんのシザーバッグから勝手に櫛を抜いて自分で梳かし始めた時には、はす向かいでカラーリングしているおばあちゃんと店長さんまで笑っていた。


その後は、お姉さんから借りたミニーのボールペンでカルテを自分で書いたりと、かなり好き放題やってたんだけど、皆さん

「いいよいいよー」

「こんなにスムーズに切らせてくれる子、久しぶりですよ」

と優しくて、どうなることかと緊張していた私の気持ちを軽くしてくれた。


帰りはちょっとしたテクニックを使った。


案の定、車を離さない雰囲気。


私がお姉さんに

「上着を着せた瞬間に私がミニカーを握らせるので、間髪入れずにワーゲンを取り返して下さい。そしたらさっと出ちゃいます。今日は本当にありがとうございました」

と囁くと、お姉さんは

「なるほど!わかりました!」

と答え、初対面とは思えないほどの連携で実行した。


こうちゃんは手の中のお気に入りの救急車とお姉さんの手にあるワーゲンを交互に見ながらも

「ば、ばいばーい」

とご挨拶していた。


ほっ。


私はさ、心のどこかで、みんなが優しくしてくれるのは赤ちゃんの時だけだと思ってたんだよね。


今くらいの、ちょっと騒がしいし走ったりするようになったら、迷惑がられてばっかりになるんじゃないかって、怯えてた。


でもまだ変わらず、世界は優しい。


こうちゃんに優しいだけでなく、お母さんである私にも優しい。


世界は優しいんだよ。