知ってる人は知っている。
私がスーパーで大の字になるちびっこに憧れていたことを。
妊娠中から、早くあれを体験してみたいものだとワクワクしていた。
体いっぱいの真っ直ぐな自己主張、私は子ども時代には親が厳しくて出来なかった。
私の子どもは、それが出来るんだろうか。
私に性格が似てたら、しないだろうな。
性格は、パパに似てほしい。
あれこれ難しく考え込まない性格。
それでいつかスーパーで大の字になってほしい。
そう願っていたら、ついに来ましたよ、スーパーで大の字の日が!
正確には、スーパーの駐輪場で、だけど。
なんでそうなったかと言うと、こうちゃんは今、歩くのが楽しい時期。
お外に行く、それすなわち広い所を歩き回れるという認識のよう。
だから外出する時は、まず玄関周りで草を見たり野良猫を見たりと楽しませてからじゃないと、自転車やベビーカーに乗ってくれない。
この時は、スーパーでお買い物を済ませた後で、かなり広い駐輪場をよちよちとご機嫌で歩き回っていた。
アンパンマンの自販機があるので、そこに近づいてみたり、色んな自転車を近くまで行ってよーく眺めたり、思う存分歩き回ったはずだった。
だがしかし、いつまでもそうしてはいられない。
私の買い物袋の中には、ぶりが入っているのだ。
もう帰った方がいいだろう。
そう思って、
「こうちゃん、そろそろおうちに帰ろ。自転車乗ろう」
と声をかけたところ、私を振り切って駆け出した。
追いついて抱き上げようとしたら、来ましたイナバウアー。
& 蹴り。
那須川天心かなってくらいの強烈なキック。
しばらく追いかけっこが続いて、そろそろママも本気出しちゃおうかなってタイミングで、空気の変化を察したのか、突如こうちゃんが、地面に大の字になった。
さっきまでの「うっきゃーーい❤️」なんて声もなく、無言で大の字になり、じろっと私を見ている。
抱き起こそうとしたら、全身に力を入れて大の字をキープ。
な、なにいっ?!
でも残念だったなおちびちゃん、ママは老人ホームで全身拘縮のお年寄りを移乗しまくっているのだよ。
それに比べたら小さなあなたなど簡単さ。
、、、と思ったんだけどねえ。
なかなかどうして、難しかった。
絶対にまだ自転車には乗らん!という鉄の意思を瞳に宿らせた1歳児は、全力で踏ん張っていて、
「ほら!意地張らないの!自転車乗ろう!おうちでアンパンマンのりんごジュース飲もうって!こうちゃん!」
というママの叫びが空しく響くばかり。
通りすがりのおばあちゃんから
「ママ、頑張って!」
とエールを送られながら数分間格闘することになった。
なんて頑固なの!
テコでも動かないじゃないの!
思ってたのと違うし。
思い描いていたのは、「やだー、ママー、これ買ってー!」なんて叫びながらの可愛い大の字だったんだけど、
まさかの、無言。
これでどうだ!みたいな表情で私を見つめながらの大の字。
動かせるものなら動かしてみろ!みたいな。
これは筋金入りの頑固さんだわ。
まるで、、、まるで私。。。
性格、まさかの私似なの?!
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