1歳半ともなれば、色んな事が出来るようになる。
例えば、スーパーのアンパンマンカートからの脱走。
今までもまあおとなしく乗っていたとは言えない。
なんたって好奇心の塊ですから。
色んな物に手を伸ばしまくりで、阻止できなかったものについてはもれなくお買い上げ。
気づいたら小麦粉の袋をしっかり抱えてたりする。
しかしママも同時進行で成長するので、すっと進路をずらしたりしてこちらの阻止スキルも上がってきて、けっこう油断していた今日。
レジが終わって、かごからお買い物袋に食材を移している時に、こうちゃんがしれっとカートから降りて歩き出そうとしていた。
「あ、僕ここで」
と同乗者に告げてタクシーから降りる会社員さながらに、それはもうナチュラルに降りていた。
「あっ!」
と言いながらこうちゃんに手を伸ばしたら、袋からほっけがパタンと落ちてまた
「あっ!」
なんて言っていたら、急におばあちゃんが現れた。
「あら僕?どこ行くのかな?」
おばあちゃんはそう声をかけながら、近くにあったチラシホルダーからチラシを1枚取り、
「これ、見る?」
こうちゃんはなぜかアンパンマンカートの椅子にお行儀よく座り直してから、おばあちゃんが差し出したチラシを受け取った。
「すみません、ありがとうございます。」
と私が言うと、おばあちゃんは解ってますよといった顔で笑って
「今のうちに詰めちゃって」
と言ってくれた。
私が急いで苺やら何やらを袋に全部詰めている間、おばあちゃんはこうちゃんとチラシを見ながら
「葡萄よ。おいしそうねえ。葡萄は好きかな?」
なんて話しかけてくれていた。
こうちゃんは自分もチラシを指差してみたり、おばあちゃんが自分用に取ったチラシを欲しがって取りかえっこしてもらったりしていた。
楽しそうである。
「終わりました!すみません、本当に、ありがとうございます」
私がお礼を言うと、おばあちゃんは
「いいのよー。歩きたい盛りだものねえ。ほんとに可愛いわねえ」
と笑顔でこうちゃんをいいこいいこして、
「じゃあね、気をつけてね、バイバイ」
と去っていった。
こうちゃんも手を振ったので、おばあちゃんは誉めてくれた。
や、優しいーーー!
というか、こういう優しいお年寄りがいすぎてびっくり。
私もこういうばあちゃんになりたい。
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