しばらく前に、子ども乗せ自転車を買うことに決めた。
ダイエットのために絶対に電動自転車にはしないと言い張った。
すぐ近所の自転車屋さんがとても評判が良いと聞いたので、そこへ行ってみると、ものすごい熱血お兄さんが出てきた。
うっ、となるくらいに熱血だ。
私が聞いた良い評判というのが『かなり一生懸命やってくれる』『親切さが普通ではない』だった理由を瞬時に理解した。
まず、自転車を買いたいというだけでその意思を、恥ずかしくなるほど延々と褒め称えられ、更に自転車がある生活の素晴らしさを延々と語られた。
電動ではない子ども乗せ自転車を今も作っているメーカーがかなり限られるという事で、第5希望まで書いて持ってきてくれと言われた。
その希望順に当たっていってくれるらしい。
火水が定休日だけど、自転車を買いたい人の電話になら定休日でも出るから安心して相談してくれとも言われた。
その間も、視界を自転車が通る度に
「見て、お姉さん!あれは✕✕が出してる✕✕✕っていう自転車でね、あれだと正規品の前のシートがこういう形だから*&*☆=@!Ⅰ*」
と熱く説明してくれる。
ほぼ松岡修造だと思っていい。
すごい熱量だ。
こうちゃんもベビーカーで連れて行っていて、私が話を聞いている間、お店の前の日陰で風に吹かれて気持ち良さそうにしているのも、お兄さんは見逃さなかった。
「坊や、いい所に停めてるね!風を感じてるね!そこ、いいよ!」
こうちゃんはなぜかキリッとした男らしい表情で(笑)、お兄さんに向かって
「あ!」
と力強く答えた。
その夜、夫に自転車屋さんに行った報告をした。
「一生懸命やってくれるってあなた言ってたけど、一生懸命のレベルが違った。とんでもない熱さだった。松岡修造だった」
夫は穏やかに
「うん、そうだよ」
と言った。
さすが、全ての人をありのままに受け止める男。
後日、希望ランキングを書き出して提出しに行った。
「いいね!こういう感じね!すごくいいね!楽しくなるよー!」
目がキラキラしている。
自転車への愛がすごい。
こうちゃんの席につけるカバーについても、同じくらいの熱量で語ってくれた。
語り続けてくれた。
ソムリエがワインに対して取るスタンスと同じで、全ての自転車と全てのオプションについて良いところを熱心に語れる人である。
そんな自転車屋さんから、今日着信があった。
お、私の自転車届いたのかな?
折り返すと、いきなりのマシンガントーク!
「あ、○○さん?!私です、自転車屋です!来たよ、ついに来たよ、○○さんの自転車!やったね!それでさ、自転車乗るの久しぶりでしょ?!ギア付きも初めてでしょ?!だからさ、完璧に説明会したいと思うんだよね!」
せ、説明会?
しかも完璧に、、、?
「それでさ、今来れる?今なら空いてるのよ!家近いでしょ?!今だめだったら明日でもいいし、いつでもいいんだけどさ!うちなんか知らないけど開店からめっちゃ並ぶのよ!」
これ本当。いつも並んでる。
行列のできる自転車屋なんて、ここに引っ越してきて初めて見た。
「あっ、でもさ、今お夕飯の支度とかあるもんね、忙しいよね、じゃあ無理しないで明日ね!明日にしようか!それでさ、うち10時からやってんだけど、開店直後がいちばん混むのよ!だからさ!ちょっとずらして来てもらって、家近いし、混んでたらまた後で来てもらう感じでもいいのかな?!あ、大丈夫?ありがとう!ほら、完璧に説明会したいじゃない?ほぼ初めての自転車みたいなもんだしさ!安全に、安心して楽しんでもらいたいんだよね!」
という訳で、明日、行って参ります。
0 件のコメント:
コメントを投稿